第11章 ガーデンパーティー
『だから』
アキは、箸を置き、
悲しそうな顔で、
でも
きっぱりと言った。
『もしコーシが
結婚出来る相手を探してるんだったら…
私とは付き合わない方がいいと思う。
私じゃ、コーシを幸せにしてあげられない。』
…そんな…
俺は、結婚相手を探してるんじゃない。
アキと。
アキだから、結婚したいんだ。
"幸せにしてあげられない"って?
幸せかどうかは、俺が決めるよ?
アキと一緒に、
二人で幸せになりたいと思ってる。
それは
相手に望むことじゃなく、
お互いに、
お互いのために、
そうしてあげたいって
思うことじゃないのか?
…くそっ…
思いはあるのに、
それをアキの心に届けるための
言葉が思い浮かばない。
それはきっと、
俺の行動が伴っていないからだ。
口先だけの言葉なんて
アキはきっとすぐに見抜く。
なんでだよ…
俺、今まで、何やってきたんだよ。
言葉を扱う仕事をしてるのに、
こんな時に、
伝えきれないなんて。