第11章 ガーデンパーティー
…ひどい二日酔いだ。
ゆうべは旭を呼び出して、さんざん飲んだ。
だって、
昨日は俺の今までの人生の中でも
最悪レベルの1日だったから。
仕事が異動になった。
やりがいを感じ、
休みなんかいらない、というくらい
夢中で働いてた部署から
全く興味がない部署へ。
その愚痴を聞いてもらおうと
仕事のあとで彼女を呼び出したら
はっきり、フラれた。
いつもは甘えるばかりで
自分の意見なんて滅多に言わないのに、
昨日に限って
『仕事と私、どっちが大事?』って。
大事だと思っていたものが
あっという間に二つとも、俺の前から消えた。
…で、それから旭を呼び出して朝まで飲んで…
今日は二日酔い、というわけだ。
旭に謝っておこうとスマホを取り出すと
すでに旭からメールがきている。
"スガ、きっと最悪の目覚めだろ?
大変な1日だったな。
まだ愚痴りたりないときは
いつでもつきあうから。"
…旭は、相変わらず優しいな。
こんな時に中途半端に
"きっと次はいいことあるから"
なんて言わないところ、
旭は本当に優しいヤツだと思う。