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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第27章 ウェディングプランナー



1月2月と、割とヒマな時期を過ぎ、
今、結婚式場は少し忙しい、3月。

人事異動の前に挙式したい、とか
寒い季節が過ぎるのを待って、とか
そういう理由が、この季節の特徴。

それだけでなく、季節柄、
平日の夜に
学校関係の謝恩会なども多いので
俺や早瀬も、自分の仕事以外に
駆り出されることも多い。


『早瀬っ、』

『なに?』

モーレツにパソコンと向かい合っている
早瀬。

『明日の夜、ヒマ?』

『じゃない。』

画面から目を離さず、即答。

『でもさ、明日、例の監督の焼酎を
クロが店に取りに行くんだって。』

『行ってもらえばいいじゃん。
こっちに配達してもらえば早いのに
自分でお店まで取りに行くって言ったの、
黒尾さんでしょ?』

『でもほら、受けとる時
発注ミスがないか、確認するだろ?』

相変わらず、パソコンから目を離さず。
でも、口はよく動く。スゲー(笑)

『もうっ、君達が決めた通りに頼んだからっ。
お店に発注書も残ってるはずだし。
わざわざ私が行かなくても、
それ見て、確認すればいいでしょ。
黒尾さん一人で不安なら、
夜久君か夏希ちゃん、行ってあげればいいじゃん!』

『…って言ってるけど…クロ、どーする?』

『…はっ?!(゜ロ゜)』

初めて早瀬がこっちを向いた。

俺の手のクロと通話中のスマホを見て、
一瞬、
気を失いかけたゴリラ(←見たことねぇけど)
みたいな顔をし、俺に"スマホ、貸して!"
と襲いかかってくる。

『…す、すみません、
夜久君に話してるつもりで
失礼をぶっこき…
いや、失礼いたしました…』

アワアワしてる。
こんな早瀬は滅多に見られない。
面白いなぁ(大笑)
帰ったら、夏希に話してやろう…

『時間は…はい、わかりました。では、明日。』

スマホ片手に深々と頭を下げて
通話を切り、
俺の手にスマホを突き返してきた。

『忙しいんじゃなかったのかよ?』

『忙しいよ。
だから、その時間だけ抜けて行ってくる。
伝えなきゃいけないこと、思い出した。』

『頼むな。あー、でもさっきの顔!
な、今年の忘年会の出し物にしろよ!
早瀬の百面相。社長賞、狙える!』

…プーッと膨らんだフグみてぇな顔で
再びパソコンに向かった早瀬。


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