第27章 ウェディングプランナー
トーコと別れてすぐ、
会社で要望調査があったから
俺は、
地方勤務に転勤願いを出しておいた。
でも、残念ながら
今回は叶わなかったようだ。
…春からは、トーコの旦那が俺の上司。
悪いのは自分だとわかっているだけに
ますます、気持ちのやり場がなくて。
狭い、シティホテルの一室。
ゆうべ…女を"注文"したのは覚えてる。
どんな女と
何をしたか、は
覚えていない。
そして今、一人で目覚めた土曜の朝。
性欲は吐き出したはずなのに
気分は、最悪。
…激しい、自己嫌悪。
外に出ると、もう充分に陽が昇っていた。
休みといったって、
特にやることがあるわけでもねぇし。
さぁ、どうすっか。
たまには昼間から家飲みして
ダラダラ過ごしてみるか?
と、思ってみても、
案外そういう過ごし方が出来ない俺。
結局、一人で映画館に入り、
アクション映画をウトウトしながら見て…
映画館から出てスマホをチェックしたら、
夜っ久んと研磨から着信が残っていた。
はあっ?
30分おきに
1、2、3、4…
5回づつ?!
なんだ?
…夏希と大喧嘩か?
いや、土曜日のこの時間は仕事だろ?
ましてや、なんで研磨まで?
どう考えたって
面倒な予感しかしねーけど(笑)
こいつらに頼られると
ちっと嬉しいのも事実で。
…染み付いた主将魂。
放っておけねぇんだよなぁ。
そんな気持ちで、こっちからかけ直す。