第27章 ウェディングプランナー
バタバタバタバタ…バンッ
『早瀬、うるさーい!』
『ちょっと夜久君、ヤバイんだって!
男性、ドタキャン出た!
夕方までに誰か男の人、
あと一人、絶対、探して!』
…珍しく、早瀬が焦ってる。
今日は夕方から、
研磨の会社『プリンヘッド』主催の
婚活パーティーが開かれるんだけど
その参加者が急に来られなくなったらしい。
『一人くらい、いなくてもいいんじゃね?』
『だめー!ペアでやるゲームもあるから困る。』
『じゃ、誰かうちの男性社員にすれば?』
『ダメ!
今日に限ってテレビ取材、来てるもん。
社内の人間が入ってたなんて知れたら、
やらせみたいで、信憑性、なくなるっ!』
『早瀬の友達、いねーの?』
『自慢じゃないけど、男友達、0ですっ。』
『威張るなよ(笑)でもなぁ、俺の友達も
みんな、結婚しちゃったからなぁ…』
『やっ君、どうしたの?何かトラブル?』
『あ、研磨社長。』
『…社長って呼ばないでって言ったよね?』
『おお、恐っ(笑)
あのさ研磨、男が一人、ドタキャンだ。』
『研磨さんか夜久君の友達、
誰か一人くらい、独身、いないの?
いるでしょ?いないはずない!!』
『…やっ君、一人、いるじゃん。』
『えーっ?!
…あんま、こういうの向いてねぇって
研磨が一番、わかってんじゃねーの?』
『いるの?いるのね?!その人に決まり!
独身男性だったら誰でもいいからっ。
夜久君、すぐその人に連絡してっ、
お願いお願い、お願いします!』
『どーなっても、知らねーぞ?』
『いいっ!
とりあえず、男ならいいからっ!
呼んで、その人、呼んでっ!』
『電話、繋がるかなぁ?…
ダメだ、やっぱ出ないよ。
とりあえず、研磨からも
着信残しといてくんない?』
『土日は休みのハズだから…大丈夫だと思うけど。』
『でも、急に呼んで、来れるかなぁ?』
『夜久君、お願い、なんとか呼んで!
後でお礼するから、絶対、呼んで!』