第27章 ウェディングプランナー
夜久君と夏希ちゃんが、結婚する。
ハッキリした性格の二人だから
これまで何度も危機があったらしい。
それを乗り越えて晴れの日を迎える二人を
本当に、眩しい、と思った。
これだけ正面からぶつかり合いながら
それでも好きだと思いあえる相手と
出会えたことが、何より素晴らしい。
"夏希に、俺の仕事を理解して
応援してもらいたい"という、
夜久君の願い。
"もりすけに、結婚式の日だけは
ずっと手を繋いでいてもらいたい"という、
夏希ちゃんの願い。
大事な同僚と
大事な友達、
それぞれの願い。
私の仕事を通して
それを叶えてあげられるのが
本当に、誇らしくて。
…その日、
扉の向こう側で輝く二人を見ていて
つくづく思った。
私、自分が幸せになる能力を
どこかに落っことしてきたんだな。
その分、
誰かの幸せに全力を尽くそう。
この仕事が、好きだから。