第33章 おやすみなさい【甘裏】*レオ*
ぼんやりと薄れゆく意識の中で、レオに腕枕をされながら何とか言葉を紡いだ。
「…レオ、眠れそう?」
「うん。…あ、一つお願いしてもいい?」
「何…?」
「いつもと逆に、ちゃんに抱き締められて寝たい。」
いつもはレオの胸に顔を埋めて、レオの優しい声と鼓動の音を子守唄に眠りに落ちる。
それと逆のことをするのは恥ずかしくて躊躇ってしまったけれど、レオが珍しく甘えを見せてくれた気がしたので、レオの頭をそっと自分の裸の胸に寄せた。
「ありがとう…。」
柔らかいレオの髪を撫でながら視線を落とすと、レオは私に身を委ねてすっかり安らいだ表情で瞳を閉じていた。
本当は寝息が聞こえるまで見届けたかったけれど、私もすぐに瞼を閉じて意識を手放した。
貴方がいつでも安らげる場所になるから。
どうかゆっくり、おやすみなさい。