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星の砂【銀魂】

第1章 人に豚とか言うのは失礼だ


『ただいま戻りましたー』

屯所に帰ると丁度原田隊長とすれ違った

「おぅ大石、一番隊で元気にやってるかァ?」

『黙れ原田コノヤローいだだたッ』

「誰がお前をここまで成長させたと思ってんだ コラ!」

原田隊長は私の頭をグリグリしながら言った

『嫌だ!こんなハゲに育ててもらったなんてッ 私は信じないッ!!』

「お前まじで殺すよほんと」

原田隊長から解放され自室に戻るとそのまま畳に寝転がった

『はぁ…今日はなんか色々疲れた~』

ふと自分の首にかけていた物が目に映った

小さな瓶に入った星の砂。

光にかざすと星粒がキラキラと輝く



ー 別に…沖田隊長には関係ないですよ ー

『…』

ちょっと言いすぎたかな。

今からでも遅くない、謝りに行こう!

私はムクッと起き上がり自室の襖を開けた

すると、

「よー」

『ギャーーっ!!』

襖を開けたすぐ目の前に沖田隊長が立っていたのだ

「オイ女子がギャーはねぇだろィ…あ、間違った豚だった」

『誰が豚だコラ』

どうやら沖田隊長はどこまでも私を豚にしたいらしい

『で、何か用ですか?』

「これ、今日の報告書でィ。
俺ァ忙しいからお前が書いときなせェ」

『はぁ!?サボってたくせに何処が忙しっ…』

そこまで言って私は黙った

『…わかりました…やっておきます』

「あり?やけに素直じゃねーか」

沖田隊長は不思議そうに私の顔を覗きこんだ

『隊長、昼間は…すみませんでした』

「…」

『でも私…あの人のことを忘れることは出来ないんです。生きていようが死んでいようが想いは変わりません』

そう言って沖田隊長の目を真っ直ぐに見つめた

『でも強くなりたい!同じことを繰り返さないように…だからッ…』


"私を強くしてください"


「…」


沖田隊長は無表情でしばらく私を見つめると背中を向けてゆっくり歩き出した

『沖田隊っ』
「オイ大石、」

沖田隊長は振り向いて私を指差した

「俺の指導は厳しいぜィ」

『!……はいッ』


もう剣を握ることに迷ったりしない。

ここで私は強くなるんだ!

もう二度と同じことを繰り返さない為、

そしていつか大切な人を護るために!





「よし。んじゃあさっそくブヒって鳴く練習をだな…」

『だから豚じゃないって言ってんだろォ!!』
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