第6章 落ちる【沖田視点】
日もすっかり落ちて外の街灯もちらほら点き始めた頃
自室でテレビを見ていると突然山崎が"失礼します"と言って中に入って来た
「どうしたんでェ」
「副長が今度の討ち入りの件で話があるとかで、会議室に来いと…」
「あぁ、今行きまさァ」
「あの、それと…」
テレビを消して部屋を出ようとする俺に山崎が言った
「結衣ちゃん知りませんか?」
「大石?」
「はい、彼女も呼ぶよう言われたんですけど、屯所中探してもどこにもいなくて…」
そういやあいつまだ帰ってきてねぇな。
「大石なら1時間くらい前に俺がジャンプと焼きそばパン買いに行かせたんでィ、多分もうすぐ帰ってくんだろ」
「そ、そうですか」
にしてもあいつ思いっきり時間オーバーじゃねェか
…俺も忘れてたけど。
どんだけ遠い店まで買いに行ってやがんでィ。
「でも…大丈夫ですかね」
「あ?何が」
「いや、今外結構な雷雨なんで…傘とか持ってるのかなって…」
「…」
- 今日は夕方頃から降るみたいですよ -
「…とかなんとか言ってたし大丈夫だろィ…仮に持ってってなかったとしてもどっかで買うだろうし」
「…そうですね」
山崎と縁側を歩きながら外を見つめる
…昼間はあんなに晴れてたのに…こりゃ酷ぇや。
傘差してても濡れるレベル
「…不憫な奴」
激しく降る雨をしばらく見つめ昼間のあいつの顔を思い浮かべた
そういえばあいつ、少し…顔色悪かったな。
それに…仮に傘買ったにしても少し遅ェ…。
俺は溜息をついて屯所の玄関の方へ向かった
ほんとに、
「めんどくせェ女…」
「あれ、沖田隊長どこ行くんですか?」
「山崎、土方さんにちょっと遅くなるって言っとけィ」
「えっ?」
「ジャンプと焼きそばパン、迎えに行ってくる」
そう言って俺は屯所を出て行った
「…」
「あれ山崎、沖田隊長どこ行ったんだ?」
「…結衣ちゃん、迎えに行ったみたい」