第14章 旅のお供には信頼出来る奴を置け【帰省編①】
「行っちまったな、トシ…。
俺やお前のしたことが正しいことなのかはわからんが、アイツ自身が選んだ道なら俺達が信じてやらねェといけねーよな」
「…」
「だが…やっぱり俺は心配になる。…結衣の奴、本当に1人で大丈夫なんだろうかって…」
「…心配いらねェよ。あいつは今…俺達の誰よりも強い魂を持ってる。あいつがあいつである限り、その魂は簡単には無くならねェさ。
それに…
"1人"じゃねーからな」
「え?」
そう…私は真選組で多くのことを学んだ。
多くの人に支えられ、仲間や命の大切さを彼らから教わった。
それらはみんな決して無駄なんかじゃない私の大切な
一部なんだ。
「まもなく出発します」
電車に乗り、窓の遠くの景色を見つめた
真選組のみんな…私が黙って行ったこと…怒ってるかな。
山崎さんは泣いてるかも…なんて。
神山さんあたりは…逆に喜んでるかもしれないな…それはそれでちょっとむかつくけど。
沖田隊長…は
安静にしてくれてるといいな…。
いつも沖田隊長を起こすのは私の役目みたいになってたけど…起こすより起こされたことのほうが多かった気もする。
- 雌豚〜今すぐ起きないとバズーカの刑だぜィ -
- あ…はい。起きまッ… - ドカーンッ
- ええええ!ちょ、起きてますってッ!? -
どれもまともな起こされ方じゃなかったけど
もう…それもないんだと思うと
少し、寂しい…。
『…っていかん!今からこんなセンチになってちゃっ。…な、なんか寒くなってきたな』
「確かに寒すぎらァ…もちっと暖房効かせれねーのかィこの電車」
『…』
え?
聞き覚えのあるその声と目の前に座るその人物の姿に私は一瞬その場に固まってしまった
「…ブッサイク」
ええええええええ!?
『ちょ、おお沖田隊長!?な、何してるんですかこんなとこで!』
「はぁ?見りゃわかんだろ、電車に乗ってるんでィ」
『いやそういう意味じゃなくてッ…な、何でここに』
「俺も行くからに決まってんだろィ」
『えっ…?』
目を丸くする私に沖田隊長は眉間に皺を寄せた