第2章 うつつ
松「…フッ。せめて絵文字のひとつくらい入れろよ」
…これ、たぶん仕事の合間に打ったんだな。間に合ったのかな、企画書…。
櫻「…笑って…らっしゃる…?」
相「機嫌…直った?」
大「…(彼女からの)メール?」
二「なんじゃない?」
大「…ふぅん。マツジュン、結構単じゅ――モガッ」
櫻「バッカ、聞こえる!」
相「せっかく機嫌直ったのにっ。リーダーしぃ~~ッ!」
大「ムガッ、ムグッ、ムムゥ~ッ!(息っ、息が…ッ!)」
二「…バカだ~、この人たち…」
自分でもそう思う。単純だなって。でも、こんなメールでもあいつの顔が浮かぶから。俺と同じで、謝ることが得意じゃないあいつの、何とも言えないあの表情が。
【どういたしまして。つーか、“ちょっと”じゃねえよ、バーカ】
送信、っと。
…さて。
次会った時は何してもらおっかなぁ~♪
松「~ン~フンフフ~フフ~ン~♪」
櫻「…鼻歌が出ましたよ…?」
二「しかも…『花唄』って。ダジャレ?マグレ??」
相「あっ。これ…俺が松兄に蹴られた曲!リーダーがやっちゃったのに、俺がっ!」
大「…ンフッ」
花が咲く。
こんなにも、カンタンに。
どこにいても、おまえが
おまえという存在が俺を潤してくれるから
花が、咲く。
たくさんの。
色とりどりの。
だから
そばにいる時は
俺が、おまえを潤すよ。
精一杯
愛を込めて。
『もぉ無理~~ッ!!』
って音を上げるくらいにな?(笑)
2013/11/8