第64章 【烏と狐といろいろの話 その5】
特大の嵐が近づいているのは誰も阻止できないので、とりあえず場所は戻る。
「とりあえずおもろ、やなかった、面白いことになったなあ。」
宮侑がニッコニコで言っている。
「もう既にカオスやのにこれで烏野と他の学校も来たらバリ(すごく)、いや無茶苦茶ヤバいんちゃう。」
相方の治は淡々と言っている。
基本的に我が道を行く系統の双子が、縁下力たった一人に言われて言葉に注意しているところはちょっと笑えるが、本人らは真面目に取り組んでいるのでそっとしておくのが礼儀である。
「ま、茂庭君の言う通り、うちの連中が揃うのは確定として。」
乱入した菅原も完全に楽しんでいる。
「次どこだろ。」
「いやあの、菅原先輩。」
「菅原さん、うちの美沙はガチャマシーンじゃないので。」
「自分、さっきままコさんをガチャ扱いしてたやろ。」
「そこは触れないでいただけると助かります、北さん。」
「兄さん、どゆこと。」
「どってことないよ。」
「絶対嘘やん。」