• テキストサイズ

【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第43章 【王者の命】その3


力が戻ってくると

「縁下、お疲れ。」

澤村に早速声をかけられ、他の仲間も寄ってくる。
特に木下と成田の心配顔が目についた。こればかりは無理もない。

「美沙さん、来ちまったんだな。」
「はい。」
「結局さぁ、何だった訳。白鳥沢の方まで呼ばれてって。」

菅原が疑問を呈する。

「それが」

苦笑しながら力は事情を説明すると一同は全員がうわぁという顔をした。
清水や月島も、である。

「ひっでぇ無茶振り。」

成田が呟く。

「俺もそう思う。」

力は正直に返す。

「てかそこで美沙さん出してくるあたり牛島さん勇気あんなぁ。」

木下のこめかみには汗が浮かんでいる。

「苦肉の策とはよく言ったもんですね、よりにもよって本来外注してた撮影をままコさんに任せようだなんて。」

月島の突っ込みはもっともである。

「何か、試合よりよっぽどおっかない気がする。」

山口が言うのも無理はない。

「縁下、毎度毎度美沙ちゃんの事で大変だな。」

東峰には同情されるわで

「いや、もう何も言わないでください。」

頭を抱える力を田中が慰める。

「縁下、気持ちはわかるがしっかりしろ。」
「そうだぞ力、美沙が大ボケと喧嘩しなきゃ大丈夫だ。」
「よせノヤっさんっ。」
「白鳥沢に指名される美沙。」

余計なことを言う西谷に何故かごくりとつばを飲み込む日向、いつものことだがもう訳がわからない。
そして影山がとうとう爆弾を投下した。

「てか、」

妙に響いた影山の声、力は勿論烏野のチーム全員はしぃんと一瞬沈黙して彼に注目する。

「何かあっちでままコがテンション高いんですけどいいんですか。」
「え。」

力は呟き思わず影山が指を指す方に目をやる。

「大変っ。」

谷地が叫んだ。

「美沙さん、カメラとかパソコン見て喜んじゃってるっ。」
「そっか美沙ちゃん機械大好きだから。」

珍しく清水にも若干慌てた口調で言われて力はひきつった笑みを浮かべたまま硬直していた。
/ 702ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp