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【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第39章 【トラブルドゥトラベリング】その5


「君のお兄さんは妹の萌ポイントは俺のものな訳。」
「なんかな、多分。」
「多分じゃないから、あからさまだから。」
「ツッキー、そんなはっきりと。」
「ガチヤバじゃん。」
「言わんといたってください。」
「病的なシスコンって実在するんやな。」
「な。」

銀島と小作にまで言われてはどうにもならない。やばいどないしょうと美沙が呟いた所で手に握りしめられていたスマホが振動する。

「ふぎゃああああっ。」

またも叫ぶ美沙、いつもの事なので意外に静かな烏野1年生達に対して稲荷崎の面々は再びビクッとする。
美沙は恐る恐るスマホの画面を見た。メッセージアプリからの通知、音声通話、発信元は

"兄さん"

とうとう義兄が音声通話をよこしてきた。正直出たくなかったが出なかったら出なかったで何で出ないんだと笑顔で威圧されるのはわかっている。
怖いやばい助けてーと思いながらも美沙は通話ボタンをタップした。

「し、しもしも。」

こんな時でも若干お笑いに走ってしまうのが縁下美沙である。宮兄弟が同時に吹いたのが聞こえた気がしたが聞かなかったふりをする。

「美沙。」

電話から聞き慣れた声が聞こえた。

「ふぎゃあああ、兄さんっ。」

この時飛び上がる美沙の姿に谷地、山口、日向そして影山は激しく同情を禁じえなかったという。

「やっちゃったみたいだな。」
「うう。」
「まったくまたうかうか萌ポイントを教える真似して。ただでさえ及川さんがお前を追っかけ回してるのに。」

義兄の背後で及川が人聞きの悪いっと叫び岩泉がおめーはだーってろっと怒鳴っているのが聞こえた美沙はえ、まさかと思う。

「あ、あの、兄さん」
「何。」

悪い予感しかしないと思いながら美沙はそおっと義兄に尋ねた。

「もしかして及川さんと岩泉さんいてはる。」
「どころか今青葉城西と伊達工と白鳥沢がいる。」
「あああああまたよりにもよってめんどい人らばっかし、特に伊達工っ。」
「こら、二口君に聞こえる。」

すぐにまた義兄の背後で二口が何か言ったかどシスコン野郎と言っているのが聞こえる。
恐らく義兄はわざと二口に聞こえるように言ったのだろう。
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