第37章 【トラブルドゥトラベリング】その3

「確かに突っ込みどころは満載だけどさ、アンタが突っ込み入れた相手全員業界の大物ばっかりなんですケド。」
「せやでーままコちゃん、ちゃんと普通やないって認めんと。」
「宮さんは入ってこんでええのっ。」
「どっちや。」
「ええと、そっちのいらんこと言いの方。」
「ひどっ。」
「事実はしゃあないな。」
「サムぶっころすっ。」
「おうやってみろや。」
「ほら早速。宮侑にいらんこと言いって面と向かって言う奴がある。」
「美沙さんは誰にでも平等ってことかな。」
「山口はいいように言い過ぎデショ。」
「美沙、やっぱりすげぇ。」
「日向も感心するとこじゃない。」
「宮さんは平気なんスか。」
「影山も別にご本人に聞かなくていい。」

しかし宮侑は妙にニコニコと笑っている。相方の治以下稲荷崎の連中はうわぁと引いているようだ。

「んー俺は平気やで、ちょいちょいショックはあるけどな。」
「性悪は基本嫌われても平然としてるもんな。」
「サムお前さっきから俺のイメージ下げにかかんなやっ。」
「人の電話乗っ取ったんやからこれ以上下がる心配ないやろ。」
「それよりままコちゃんがおもろい。」
「話逸らすなや。」
「私は別におもろない。」
「ままコさん、そこは説得力ってもんを考えて。」
「せやで振ったらすぐ食いついてくるし。」
「何やろ及川さんやったらとっくにはたいてるとこかもしれへん。」
「ちょお待て、及川君はたくて何や。」

銀島が口を挟むと美沙はいやそれがと一瞬口ごもった。

「及川さんがその、何かにつけてセクハラしてきてなかなかやめてくれへんから時たまはたいてまう時があります。」
「出たっ、ままコちゃんの武勇伝その１。」
「さっき抱っこがなんたら言うてたなぁ。」
「いっちゃん困っとって。兄さん以外は禁止やっていつも言うとるのに全然聞いてくれへん。」
「君さ、一体地元でどういう状況なの。」
「わからへんです。」
「そもそも兄貴やったらええんか。」

小作がもっともな疑問を呈すも美沙はキョトンとしている。

「天然か。」
「天然は寧ろウ」

美沙は例によって天然は寧ろウシワカさんですと言おうとしたのだが月島がンンッとわざとらしい咳払いをして遮った。
が、生憎その気遣いはあっさり砕かれる。