第28章 【パニック at the 文化祭】後編　その4

「だって事実やもん。」
「アハハハさっすが美沙ちゃん、やっるー。」
「ややこしい人は参加しないようにお願いします。」
「扱いひどくないっ。」
「青城の及川もヤキが回ったもんですねぇ。」
「二口君もややこしいから勘弁してくれないか。」
「あ、やんのかこのどシスコン。」
「ちょお、兄さんに何かしたら許さんで。」
「うるせーわこのロリブラコンっ。」
「デカブツが五月蝿い。」
「ああ伊達の鉄壁なめてんじゃねぇぞスカシ野郎。」
「でかいだけの集団が牛島さんとうちに勝とうなんて早いんだよ。」
「何だとゴルァッ。」
「そーそーまずはうちが先っ、俺が先っ。なっウシワカっ、って聞けよコラーッ。」
「アンタはアンタでお呼びじゃないんです、何纏(まと)わりついてんですか。」
「何ーっ。」
「木兎さんやめましょう、流石に俺が恥ずかしいです。」
「離せあかーしーっ。」
「いいから行きますよ。」
「天下のウシワカに喧嘩売りに行くたぁ木兎も若いねぇ。」
「知り合いですか、見たとこあんたも変わらないでしょう。」
「何だって。」
「アヒャヒャヒャヒャ賢二郎はいっつもシビアなんだよねん、メンゴメンゴー。」
「謝る気まったくねぇだろこの野郎。」
「やめような黒尾。」

黒尾が海に背中を押されて渦中から出されているのを見ながら牛島が呟く。

「文化祭とは言え随分と騒がしい事だ。」
「なまじ知られとると大変ですねえ、ウシワカさん。」

うわぁと思いながら言う美沙にだがしかし牛島はとんでもない事を口にした。

「お前に言われたくはない。」

たちまちのうちに美沙は固まった。美沙、と疑問形で義兄が声をかけるがあまりの事にすぐ返事が出来ない。

「どうかしたのか。」

気がついていない牛島に力は苦笑するしかなかった。