第27章 【パニック at the 文化祭】後編 その3
「ツッキー、何か俺凄い現場見てる気がする。」
「魔女の釜の底もびっくりなんじゃない。」
「わわ私こんなの渦中にいたら生きてられるかなななな。」
「やーマジでびっくりびっくり。青城と音駒混ざったらこーなるかー。」
「スガ、面白がってる場合じゃないんじゃ。」
「澤村、どうするの。」
「こればっかは落ち着くまで放置だな、ここは人混みから離れてるし。」
「言ってたら伊達工と梟谷も来たりしてなー。」
「よせってスガそれフラグだって。」
「旭さん、俺コスプレ喫茶に白鳥沢も来たの見ちゃったんですけど。」
「え、日向それマジ。」
「はい。って影山、お前さっきから顔色悪くね。食い過ぎなの、目つき悪いのはいつもだけど。」
「な、なんでもねーし食い過ぎでもねえっそれと最後余計だブットバス。」
「ギャーッ、事実言われたからって暴力反対っ。」
静観―まったく静かでないやつもいるが―している連中もいる中、美沙はずるいずるいとうるさくして岩泉にどつかれた及川の横で義兄の力に無理やり化粧直しを施されている。早いとこみんな落ち着いてくれんかなぁなどと願うもその願いは儚くも砕かれた。
「何かうるっせぇなあ。」
二口の声である。
「兄さん。」
「まだ喋らないで、リップがはみ出る。」
「おい烏野6番、何キショイことやってやがる。」
「化粧に慣れてない奴だからこうやって見といてやらないと。」
「そーゆー問題じゃねぇわっ。」
「ちわっすっ、またお会いしましたねっ。」
「どど、どうも。」
「作並、あれはお前も被害者だからそんなにビビらなくても。」
「それはそうなんですけど小原さん」
「てかあーっ、また青城っ。」
「二口うるさいわよ、いちいち喚かない。」
「凄い、二口が青根のロックオンキャンセルしながら喚いてる。というか知らない制服の学校がいるな、吹上知ってる。」
「いえ見たの初めてです、女川さん。」
こうして伊達工が合流した為に烏野側では東峰がガクガクブルブルして菅原に小突かれている一方、日向がおーい黄金川っと元気よく手を振っていた。
「兄さん、」
化粧直しを終えて美沙は呟く。