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【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第24章 【パニック at the 文化祭】中編


「言わないッスままコのクラスがコスプレ喫茶でしかもままコが接客でロリータ系になるなんて絶対言わないッスっ。」

高速でまくし立ててから影山は固まった。しかし時既に遅し、きっちり耳にした及川の顔が明らかに輝き岩泉が頭を抱えている。たちまちのうちに影山は顔を青くしてガタガタ震えだした。

「ええええ縁下さんに殺されるっ。」

この時影山の脳裏には顔は笑っているが目が笑っていない縁下力が浮かんでいたという。なるほど怖い。

「何それっ。」

一方及川は顔を輝かせて声を上げた。

「美沙ちゃんのロリータ姿が見れるの、それも生でっ。絶対文化祭行かなきゃっ。」
「このクソったれっオンラインで半分ボケつけ回すだけじゃ飽き足らずとうとう学校に乗り込むつもりかっ。てかおめいっぺん校門まで突撃してあそこのパソコン部に散々言われて追い返されてたろーが懲りてねーのかボゲがあっ。」

怒鳴る岩泉、だが及川はこたえていない。

「やだなぁ岩ちゃん、文化祭は他校でも自由に行けるんだよ。そ、れ、にその日丁度部活休みなんだし休日に俺がどこに遊びに行こうが自由でしょ。」

ぺろりと舌を出してカワイコぶりっ子的なポーズをする及川は岩泉にとってはウザい以外の何者でもなかった。とはいえ少なくとも烏野の文化祭は他校でも行ける事は事実だし及川が休みの日にどこに行こうが自由なのも確かである。
何も言い様がなかったが腹のムカムカが収まらなかった岩泉はとりあえず及川の頭にドガッと一発ぶち込んだ。

「何で殴るの酷いっ。」
「ひたすらムカついた。」
「理不尽っ。」

わあわあ言い合うコンビにとうとう影山が間に入る。

「及川さんっ。」

真っ青な顔のまま影山はかつての先輩に詰め寄った。

「来るのはもうどうでもいいです、でもお願いしますっ。俺が言った事を縁下さんには言わないでくださいっ。」

いやもうマジでと頭を下げまくる影山、いつもなら飛雄が頭下げてるレアだと写真を撮っていたであろう及川もあまりの必死ぶりにこの時ばかりはそれを控えた。

「なるほどやっぱり縁下君は黙ってなかったんだね。」
「烏野6番のシスコンはいい加減何とかなんねーのか。悪化する一方じゃねえか。」
「俺にわかる訳ないっすよ、とにかくバレたらマジで俺殺されるっすっ。」
「うん飛雄、今回ばっかはドンマイ。」
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