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【ハイキュー】ウシワカイモウト

第27章 ・遭遇 義兄編


文緒が烏野高校の日向と影山に再会した―正確には自ら会いに行った―一方、その義兄である若利もちょっとした遭遇があった。とある日の帰りに青葉城西の及川と岩泉にでくわしたのである。

「ヤッホー、ウシワカちゃんっ。」
「及川か。その呼び方はやめろと言ったはずだ。」
「相変わらず無駄にお堅いね。あ、文緒ちゃん元気してる。」
「お前には関係がない。」
「アハハ、やっぱり溺愛してるんだ。」
「何の話だ。」

若干不愉快な物を感じ始める若利、及川の横にいた岩泉が相棒を小突く。

「おいクソ川、流石にみっともねーからやめろ。」
「えー、いいじゃん。こんな機会滅多にないんだからさー。」
「だからその発想がみっともねーっつーのっ。」

喚く岩泉を流して及川はでもさ、と若利にまた水を向ける。

「知らなかったよ、ウシワカちゃんにあんな妹がいるなんて。」
「当然だ。」

及川と岩泉は次に言う必要はないという言葉が来ると思っただろう。しかし、

「つい最近まではいなかった。」

文緒が烏野勢に事情を話した事には苦言を呈した癖に若利は自らさらりと家の事情を口にする。途端に及川と岩泉はうろたえた。

「は、え。」

及川が間抜けな声を出す。こればかりは無理もない。

「身寄りが亡くなった遠い親戚の娘を母が引き取った。」
「おい待ちやがれ、ってことはあいつ。」
「義理の妹だ。」

及川と岩泉は総毛立った。まるっきりどこぞのアニメ映画のようなノリである。

「しれっと重たい事情口にしやがって、なるほど遠いけど親戚かどーりで顔似てねーのに兄貴そっくりのど天然と思ったぜ。」
「俺は天然ではない。それは文緒だ。」
「うるっせーっ、兄妹揃って同じ事抜かすなっ。」
「文緒が言ったのか。後で妙な事を広めぬよう言っておく必要があるな。」
「ウシワカちゃんは文緒ちゃんのとーちゃんですか。」
「いや兄だが。」
「ほらやっぱり天然。」
「違うと言っている。」
「とりあえずお前ら兄妹は説得力ってもんを考えろ。」
「何の事かわからん。」
「岩ちゃんっ、落ち着いてっ。」

今度は暴れそうになった岩泉を及川が押しとどめる。結構レアな図かもしれない。
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