My important place【D.Gray-man】
第48章 フェイク・ラバー
「デビット…アレ」
「ああ…ジャスデロ」
互いの名を呼びながら、クロウリーを見据えて掴んだのはそれぞれ自身の左腕。
正装に紛れてはいるが、その下で微かに垣間見えるのは真っ白な包帯。
僅かに傷が疼く。
何せ目の前に、この身に汚らわしいイノセンスというウイルスを流し込んだ張本人がいるのだ。
今度は、人だかりの多い街中ではない。
周りには、分が悪くなるような特異なイノセンスを持つアレンとリナリーも見当たらない。
「今度こそヤっちゃっていいかなぁ」
「いいんじゃねーの?」
獲物はすぐ目の前。
にんまりと二人の口角が弧を描く。
「会いたかったぜェ!」
「吸血鬼ィ!」
空気を震わす剣幕で、ジャスデビは嗤った。
さぁ、宴だ