My important place【D.Gray-man】
第43章 羊の詩(うた).
肌同士がぶつかる音。
溢れ出た愛液の掻き混ぜられる音。
だけどどれも耳に入ってこない。
自分の啼き声に搔き消されて、それ以上に真っ白になる快楽に押し潰されて。与えられる快感にただただ体を戦慄かせて喘ぐことしかできない。
生理的な涙と、啼き続ける口からだらしなく生唾が零れ落ちる。
こんな気持ちよさ、知らない。
「ぁあ…ッあ…! あ──…!」
ある種の、暴力的なまでの快楽だった。
勝手に体は絶頂へと押し上げられて、ちかちかと視界が弾ける。
ユウの名を呼ぶことも、言葉もままならなくて。
馬鹿みたいに喘ぐだけの私を、容赦なくユウの男根が貫いていく。
何度も、何度も。
頭の中がスパークする。
よくわからない。
思考がぐちゃぐちゃに蕩けて、本当にユウと一つに混ざり合ってしまったみたいに。
体も心も溶けて蕩けてひとつになる。
朧気に残る意識の中で、それがとてつもなく心地良いものに感じた。
「ひぁ…ああ…ッ!」
「ッ……は…ッ!」
何度も何度も目の前がスパークして。
何度も何度もユウの熱く反り立つもので貫かれて。
何度も何度も、溶けて混ざり合う。
強制的に突き上げられた絶頂が再び私を襲った時、微塵も勢いを緩めなかったユウの動きが、やっと終わりを見せた。
一気に子宮が、膣内が、収縮する気持ちよさ。
ぴんと体が仰け反り全身に力が入る。
荒くも切ないユウの吐息が、大きく吐き出される。
最奥を突き上げて、熱く震わせ動きを止めるユウ自身。
ドッと、一気に力が抜けた。
まだ少し視界はちかちかしていたけど。
体も余韻でぴくぴくと震えたままだったけど。
咽び啼く声は、止めることができた。
「っは…あ…ぁ…」
それでも意識はまだ朦朧としたまま。
投げ出した両手も半開いた口も溢れ出た涙も、そのまま。
快楽に溺れた体は、簡単には動いてくれなかった。
このまま意識が、どこかへ飛んでいってしまいそう。