第8章 DreaM WorlD
呆然としている琴乃の顔を見て
少年も驚いたように目を見開いて
こっちを見ていた。
「なんだよ? そんな顔して
ちっさいとき思わなかったか?
夢で自由に動けたらなぁ~ってよ
今、それが叶ってんだぞ!!」
『・・・・・・えぇ!?!?
ちょっ・・・!?!?』
琴乃は考えた。
ここに来てからの行動を。
普通の夢なら、
においを感じて懐かしむことも、
恐怖を感じて逃げ出したり、
人に寝間着姿を見られて恥ずかしがったり、
人の優しさを感じて、
目頭が熱くなって、
泣きそうになったりするわけがない。
全部、
自分自身の、
現実の、
感情だ。
いや、
現実よりも、
もっと、
本物の、
感情だ。