第35章 BikE WorlD
琴乃は目を見開いた。
兄妹の倒れている姿。
立っていた道路。
救急車の天井。
青い空と白い雲。
病院の外装。
車のスリップしたタイヤ跡。
<307>と書かれた扉。
自分の肘と二の腕。
酸素マスクをつけて寝かされている
<瑠璃色>の髪色のさっきの兄妹の兄。
それらが一瞬で流れ込んでた。
(ヒーローさん・・・!?!?)
さっきは遠くて分からなかったが、
兄妹の兄は瑠璃色の頭をしていた。
あの綺麗な髪色はヒーローに、
瑠璃代 恭也に違いない。
・・・ーーーーーーーーーーーーーーィンッ
琴乃の耳から音が消え、
視界からも色や光が消えた。