第24章 NameS WorlD 2
琴乃は冷や汗を流した。
<思い出せない>つまり、
<本当は知っていること>という事実に
焦ったことと、それ以上に笑顔で涙を流す
幼い自分の不気味さに、ただ悪寒がした。
琴乃はゴクリと唾を飲み込み
口を動かした。
『私はその大切な所どころか
お母さんの顔だって曖昧なんだよ?
思い出すことなんて・・・』
「どうして!! なんで!?」
琴乃の言葉に被せるように少女は叫ぶ。
「あんなに大好きな
お母さんの顔が思い出せないの!?
何で大好きな********を思い出せなの!?」
『だから!!!!聞こえないんだってば!!!!』