第23章 NameS WorlD
『!?!?』
琴乃は言葉を失った。
確かに今、
幼い琴乃と自分の声が重なった。
「ねぇ。大きいお姉ちゃん。
ううん。
大きい私?」
琴乃は驚きのあまり、
開いた口がふさがらなかった。
幼い琴乃は語り続けた。
お母さんと思われる女の人は
時間が止まったように固まっていた。
「ねぇ。どうして分からないの?
本当に聞こえない?
本当に覚えていない?」
少女はゆっくりと
こちらに向かって振り返った。
「ねぇ・・・どうして・・・?」
幼い琴乃は涙を流しながら、
笑顔を向けて、首をかしげた。