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甘く、ほろ苦く。

第2章 第2章 好き故に


「わーっ!!」
見渡す限り、一面の白い雪。
「主は雪が好きなのだな」
隣に居る爺…否、三日月宗近は呟いた。
握り合う手から伝わるけど宗近は寒いようだ。
爺だからな。

「主よ」
部屋に戻り、囲炉裏の傍で温まっている私に宗近は問う。
「どうした?体調悪くなった?」
「いや、そう言う訳ではない。安心してくれて良いぞ」
そうか…と安堵。
また、私の隣に座る。
「私何かの傍に座って楽しい?」
薄く笑いながら私は宗近に問う。
すると、宗近は私を抱き締めてきた。

パチパチと炭が弾ける音が和室に響く。

「おい、爺。そろそろ離してくれないか?」
宗近は無言だ。
「審神者の私に反抗か?」
また宗近は無言だ。
「まさか…寝てる?」
「少し位は黙ってはくれまいか」
なんだ、起きてたのか。

囲炉裏のせいかコイツに長時間抱き締められているからなのか、
少しばかり、体温が高いようだ。

「主よ、俺はアンタの事が好きだ」
「おう」
「好き故に、こんな事をしてしまった。すまない」
そうだったのか。成る程。でも…
「爺、君に抱き締められるのは別に嫌じゃない」
だから、何時でもこうしたって良いんだぞ。
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