第10章 緊急入院
コンコン。
病室内に、ノック音が響いた。
松田さんかな?
他の皆さんが、こんなに早く来る筈ないよね。
「どうぞ」
ドアが開き、立っていたのは…。
「ら、月くん」
「栞…」
「びっくりした、どうして月くんがここに?」
「松田さんから、流河が入院したって聞いて…。
大丈夫なの?」
松田さんね…。
「大丈夫そうだよ。
あ、中入って?」
「うん、ありがとう」
「ここ、座って良いよ」
自分の座っていたイスを指す。
「いや、栞がそのまま座っててよ」
けど、すぐに遠慮された。
「ありがとう」
「流河は?」
「薬が入ってるから今は眠ってるけど、もうじき目が覚めると思うよ」
「そっか」
「ところで月くん、大学は?」
「あ…休憩時間に抜けて来た」
「この時間は、もう始まってるね」
「そうだね」
でもまぁ、仕方ないかな。