第9章 外科の要
ー翌朝ー
「ん…」
カーテンの隙間から漏れる光で目が覚め、ベッドから起き上がる。
「私…ベッドまで歩いて来たのかな?」
歩いて来たか、ちょうどそこだけの記憶が欠落しているから多分別の場所で眠っちゃったんだと思う。
服…昨日のままだし。
ここに運んでくれるのは、Lしか居ないよね。
まさか、Sがこんなことの為に出て来るとは思わないし。
着替えを済ませ、部屋を出る。
「おはようございます、雪。
良く眠れましたか?」
「おはよう、L。
昨日はありがとう、運んでくれたのってLでしょ?」
「いえ、気にしなくて良いです。そんなこと」
お腹空いたし、何か作ろうかな?
「雪、朝食をお持ちしました」
絶妙なタイミングで現れたワタリさん。
「ありがとうございます」
ワタリさんが用意してくれた朝食、サンドイッチを頬張る。