第7章 嘘をつくこと
「しおちゃん。」
放課後、はなちゃんに呼ばれる。
はなちゃんが言いたいことは分かってる。
だけど私は…
「ん?どうしたの?」
そして微笑んで、見せる。
私の顔を見たはなちゃんは驚いた表情をみせ、
「まなくんと付き合ってるって本当?」
そう尋ねてきた。
「うん、そうだよ。」
私は平然と嘘をついた。
「なんで?しおちゃんはこうくんが…、それに、私がまなくんのことが好きなの知ってるよね?」
必死に訴え、もう涙目になっているはなちゃんを前に、
私は心を閉ざした。
「ううん、私が好きなのはまなくん。はなちゃんがまなくんを好きなのは知ってるけど、今は私のだから。」
そう、言いきった。