第9章 峰田 実の妹(僕のヒーローアカデミア)
午前中の授業が終わり、お昼休みとなった雄英高校、ヒーロー科1年A組の教室。
「えぇぇぇ!!!
峰田、妹いるの!!!?」
そう驚きの声をあげたのは上鳴 電気という黄色い髪の毛が特徴的な男子生徒だった。
「まぁな」
上鳴の言葉に返事をした小柄な男子生徒の名前は峰田 実。
「なんだか意外だなぁ……。
峰田は一人っ子なイメージがあったな」
上鳴の言葉に無言で頷く他の生徒。
「まぁ妹って言っても双子の妹だけどな」
「双子なんだぁ。
学校は?」
そう実に質問をした紫っぽいピンク色の肌に黒目で触角が頭に生えている女子生徒は芦戸 三奈。
「雄英だよ。
ただ、ヒーロー科じゃなくて経営科だけどな」
「経営科!?
すげぇ…………頭いいんだな」
「峰田の双子の妹にしては凄いね!」
「2人ともオイラのことディスってないか?」
「気のせいだよー!」
そう実、上鳴、芦戸の3人が会話していた時だった。
「峰田ー!
お前にお客さんだぞー」
黒い髪の毛のしょうゆ顔の男子生徒、瀬呂 範太がそう言いながら廊下から教室へ入ってきた。
「オイラにお客?」
「なんか可愛い女子だったぞ」
「可愛い女子が峰田に用事!?」
瀬呂の言葉に過剰に反応する上鳴。
「あ、ほらあの子だよ」
瀬呂が教室の入り口でこちらの様子を伺っている女子生徒を指差した。
「か、可愛い………!
あんな子がどうして峰田なんかに用事………」
「菜々子だ。
ちょっとオイラ行ってくる」
実は上鳴を無視して椅子から立ち上がると女子生徒の待つ方へ行った。
「もしかしてあの子が峰田の双子の妹とか?」
芦戸が顎に手をあて考えるポーズをしながら言った。
「峰田と全然、似てないから違うだろ」
「あんな可愛い子と峰田が双子とかあり得ない」
瀬呂と上鳴が2人して芦戸の言葉を否定する。