第4章 及川さんの失態
「杏奈ちゃん♪」
…こんにちは、皆さん。私は高倉杏奈と申します。一年生でバレー部のマネジャーをやっています。突然ですが、このバレー部には残念なイケメンとも言える大王様がいらっしゃいます。まさに今、その大王様が私の目の前にいます。でも、正直言うと、扱い方がいまいちわかりません。どうしましょう、取り敢えず、
逃げました。
「っ!ちょっとちょっと、なんで逃げるの~?」
『すみません、今忙しいので』
「なんで?ねえ、あっ!岩ちゃん!岩ちゃんからもなんか言ってよ!」
「…」
「ちょっ、岩ちゃん?無視しないでよ!」
「うざい」
「ちょっひどくない?てか、杏奈ちゃん、俺のお願い聞いてよ!」