【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)
第29章 夢√編 誓い(夢√END)
――・・・門の外に出て私たちはまた、
互いの体を抱き締め合う。
「・・・それじゃ、一度日本に戻るね」
ルイ「・・・うん」
(会社のこと、投げ出して来ちゃったから・・・)
手にした軽い鞄を見つめていると、
ルイが微かに目を細めた。
「・・・?」
ルイの顔を覗き込んで、
私はわざと尋ねてみる。
「・・・戻って来ないと思ってる?」
するとルイは一瞬目を見開いて
緩く首を振った。
ルイ「・・・どっちだっていいんだ」
「え・・・」
ルイ「・・・言ったはずだよ、迎えに行こうとしてたって」
ルイ「次期国王として君を守れる力を手に入れて、迎えに行った時・・・・・・例え君が他の誰かと恋に落ちていても・・・やっていく覚悟をして、君を離した」
ルイ「もし、君が戻らなかったら・・・きっとどこにいたって追いかける」
「・・・・・・・・・」
ここを出られない。
そう口にしていたルイにとって、
それはあまりにも
純粋で大きな愛情だった。
「追いかけるのは、私の役目」
呟くと、
ルイがふわりと微笑んで言った。
ルイ「・・・そうだったね」
頭に手を添えられて額が重なると、
吸い込まれそうな青の瞳が
見つめていた。
ルイ「でも、今度は俺が追いかけるよ」
その言葉だけで、
こんなにも胸が満たされる。
「ルイ・・・」
少しだけ離れるために、
キスをしようと背伸びをしたその時・・・・・・
ジル「プリンセス」
「・・・・・・ジル」
ルイから離れてため息をつくと、
ジルは可笑しそうに笑った。
ジル「そんな嫌そうな顔をされると困りますね」
「・・・・・・・・・」
ジルの言葉に眉間の皺を深めると、
隣でルイがふっと笑う気配がした。