【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)
第25章 夢√編 優しい嘘と最後のキス
ルイ「君を求めることを・・・許してほしい」
ルイ「俺は、君が好きだよ。・・・君が想うより強く」
あの通り雨が降った日と同じように、
ルイの腕は海水で濡れていた。
(・・・・・・泣いちゃ、いけない)
再び目頭が熱くなって
視界が滲みそうになったけど、
唇を噛み締めて必死に涙を堪えた。
「・・・ルイ」
ルイ「・・・なに?」
「ずっと・・・部屋にいちゃ、駄目だよ」
ルイ「・・・いないよ」
「・・・ちゃんと、ご飯も食べなきゃ駄目」
ルイ「・・・うん」
(それから・・・・・・)
「・・・ごめん。言いたいことが、ありすぎるよ・・・」
ルイ「・・・全部、聞きたい」
伝えたいことは
数えきれないほどあるけれど、
そのどれもが、
上手く言葉にならない。
だから私は、
最後に一番伝えたいことを口にした。
「・・・・・・一人に・・・なろうとしないで」
ルイ「・・・・・・っ・・・」
「・・・ルイの周りには、いつも必ず誰かがいるから」
ルイ「・・・それは、知ってるよ。・・・・・・君が教えてくれたから」
「・・・・・・うん」
言葉にならない想いを重ねるように、
互いの温もりを忘れないように、
私たちは最後のキスをした・・・・・・――。