第15章 タバコ――諏訪洸太郎

「は！？えっ！？ちょっ……………東さん！？」

諏訪の背中をぐいぐいと押す東

『あれ？諏訪と…………東さん？』

そんな二人の前に夏海が戻ってきた

「じゃあ、俺は用があるから」

東はそれだけいうと、夏海が来た方とは逆の方へ歩いていった

「何で戻ってきたんだ？」

『ライター忘れちゃって………』

そういって喫煙室に入っていった夏海はライターをもって出てきた

『まだ、ライターとかタバコ持つのに馴れてなくて…………。たまに忘れるんだよね』

「お前はやっぱタバコやめろよ」

『何で？』

「なんつーか、お前からタバコの臭いがするのは嫌だ」

『……プッ………なにそれ』

「お前はタバコ吸うには早いってことだよ！」

『私諏訪と同い年なんだけど！？』

「顔がガキ」

『うわっ、さいってー』

と言いながらも夏海はケラケラと笑っている

『ハハッ………………まあ、じゃあ、諏訪が言うならやめようかな。お金もかかるしね』

「そうしろ」

これあげるよ、と渡されたタバコとライター
今吸ってる銘柄とは違うが貰っておくことにした

『…………ところで、東さんとはなに話してたの？』

「…………何でもねぇよ………」

告白しろと言われたが急にできるわけない

『…………ふぅん……………。実はさ………聞いてたんだよね』

「………は？」

『諏訪と東さんの会話』

「………………マジか！？」

『マジ』

「…………カッコ悪ィ………」

『ほら、名誉挽回のチャンス！！』

「んだよ、それ………」

夏海は今か今かと目をキラキラさせている

俺はがしがしと頭を掻いた

「だー！！一回しか言わねぇからよく聞けよ！？」

『うん！』

「夏海が好きだ。付き合ってくれ」

『いいよ！』

そう言って俺に抱きついてきた
俺は少し遅れて夏海の背中に手を回す

『諏訪タバコの臭いがする……』

「嫌いか？」

『諏訪なら許す！』

「なんだよそれ」

と言いながらもすごく嬉しい
ニコッと笑う夏海にキスをすれば、照れたように笑う

『タバコの味がする』

「俺らしくていいだろ？」

『うん！』

おれは夏海の頭を撫でた





「やっと、くっついたか」

それを東は少しはなれたところから見ていた