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ワールドトリガー【中・短編集】

第14章 強奪――二宮匡貴


(やった!!)
『防衛任務はいったから行くね!』

私は一目散に二宮から逃げた



「チッ………………………くそが………!!」





それからというもの私は二宮を避け続けた
二宮が少しでも見えるとその場から気配を消してまで立ち去り、申し訳ないけど二宮隊の隊員たちとも会わないようにしていた


………………なのに、二宮はなぜか私の背後から現れ、私を壁に縫い付けると

「いつになったら、俺の女になるんだ?

…………………なぁ、夏海?」

と、壁に手をついて私の耳元で呟いた

『ちょっ…………………なんか変わってない!?前は隊に入れって言ってたじゃん!』

私は二宮の胸を押しながら言うが全く動く気配がなく、逆に距離を詰められる

「……………俺は元からお前を俺の女にするつもりだったが……………?」

『……………はっ!?』

「なあ、夏海?」

二宮は私の頬に手を添え、目線を合わせてきた

くそっ……………悔しいけどカッコいい………!!
そう思う私の心はすでに二宮に奪われているのだろう

「……………俺の女になれ………」

それでも、私は素直になれない

『…………や、やだ…………』

チュッ

嫌だと言ったのにも関わらず二宮はキスしてきた
私の顔に熱が集まるのが分かる

『…………な、ななな何すんの………!?/////』

「ハッ…………真っ赤な顔で言ってんじゃねーよ」

『うるさい!』

「ほら………」

そういって二宮は手を差し出してきた

私は熱い頬を手で冷やしながら、もう片方の手で二宮の手をとった
…………と同時に抱き寄せられる

『……………二宮隊には入らないから…………!』

「それはもういい。隊に入れて襲おうと思ってたからな」

『ハァァ!?お、襲うって…………!!』

私は二宮を見上げ睨んだ
が、上を向いたことをいいことにまた、キスしてきた

『………お前は…………キス魔か!!』

「お前限定だ」

『……………くっ…………!!/////』

「夏海。覚悟しとけよ?」

『………………なっ…………!?』

私の彼氏の言葉は私を翻弄する



「夜も、楽しいこと…………しような?」

『…………っ誰がするかっ!!』


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