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ワールドトリガー【中・短編集】

第63章 愛しい君は――烏丸京介


「夏海」

『烏丸先輩!!』

久しぶりに本部に寄ってみると、ラウンジで勉強している夏海がいた

まだ、中2の夏海だが、かなり腕はいい
元から運動神経が良かったらしいが、黒江や緑川以上の実力者だ

声を掛けるとにっこりと笑って走り寄ってくる

そんな夏海の頭を撫でると嬉しそうに笑った

「勉強か?偉いな」

『いえ。家に帰ったら集中出来なくて。でも、わからないところがあって……』

「教えてやろうか?」

『いいんですか?』

「俺でよければ」

『勿論です!』



向かい合わせになるように座って、夏海のわからないところを見る


数学だったが、難しい内容じゃなかったため、少し安心したのは言わないでおこう


「ここはこの公式を使うんだ。……で、xを求めて……」


『……なるほど!出来た!』

解けたのを嬉しそうに見て笑う夏海を見つめる

『……どうかしましたか?』

「いや、何でもない。それより夏海腹減ってないか?」

もう昼前だ
腹が減ってきたし、もう少し夏海と一緒にいたい俺はそう聞いた

『ちょっとだけ……』

「じゃあ、宿題はまた後でするとして先に昼飯食おう」

『はい!』



俺は定食を頼み、夏海はコンビニで買ったおにぎりを食べた

「ん?シュークリームか?」

『はい。ここのシュークリーム美味しいんです。一口いりますか?』

半分ほど食べたシュークリームを差し出してくる

だが、夏海の口の周りに少しだけクリームがついていた

「じゃあ、ちょっとだけ……」

『はい。………わっ』

俺は差し出される手をつかんで引き寄せ夏海の顔についたクリームを舐めとった

『ひゃっ!か、かかかか烏丸先輩!?』

「うん。甘くて美味しいな」

夏海はあわあわとして今にもシュークリームを落としてしまいそうだ


「愛しい」


心からそう思ってしまうほど、夏海に惹かれている



「落ちるぞ。シュークリーム」

『あっ』

夏海は頬を手で押さえながら上目遣いで俺を見てシュークリームをパクっと食べた


「///」



愛しいが、無意識にそういうことをするからタチが悪い………


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