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ワールドトリガー【中・短編集】

第5章 戦闘好きな彼女――風間蒼也


俺は大学の授業で前の席に座っているある女を見ていた

『…………すー…………すー………』

こいつはボーダーでもある女でいつも寝ている
なのに頭がいいというのは皮肉なものだ

「おい、いい加減起きろ」

体を揺すってみるも全く起きる気配がない
そのまま授業は終わってしまった

「………っはぁー……全く……」

俺は女の隣にいって強引に起こした
すると、目を擦りあくびをしながら女は起きた

『…………ふぁー…………あれ、もう終わったの?』

「ああ、お前も今日は午後の授業はないんだろう?
本部に行くぞ」

本部、という単語が出てくると女は目を輝かせた

『うん!早くいこう!!』

そう言うなり俺の手をとって走り出した



今さらだがこの女の名は朝霧夏海。
頭はいいが不真面目。太刀川と同じく戦闘が好きな女。戦闘狂、といっても過言ではない
その実力は太刀川や俺が苦戦するほど
だが、どこの部隊にも所属していないため、すべての部隊が朝霧を欲しがっている
まぁ、本人は入る気はないようだが………

『あっ、諏訪!』

「んあ?」

朝霧の声に前を見ると間抜けな顔で振り返った諏訪がいた

『諏訪!一緒に本部行こ!』

「俺はまだ行かねーよ。午後からもあるしな」

『なーんだ。つまんないの!タバコヤローのくせに………』

「うっせー!さっさと行け!」

キレた諏訪から逃げるように朝霧は走り出した
俺もそれに引っ張られまた走り出す

朝霧は口は悪いが表裏がなくノリもいいため男女問わず好かれている
俺はそれが少し気に障るが友達が一人もいないよりかはマシだ、とおもい我慢している

そんなことを考えているといつのまにか本部についた

「あっ!夏海さん!」

『おー太刀川。暇だろ、付き合え』

「待て。
……太刀川、お前大学はどうした?」

そのままランク戦に行きそうな空気だったためそれを遮って太刀川を問い詰めた

「えーーっと!悪い夏海さん!

用事思い出した!」

といって太刀川は走っていった

「ったく………」

『風間ってなんだかんだいって面倒見いいよね』

「なんのことだ?」

『ふふっ、べっにー。



………そうだ!太刀川行っちゃったし風間責任とって相手してよね!』

「しょうがないな」
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