第14章 好き
私の、好きな人。
高坂君の、好きな人。
女子が苦手な高坂君。私は、きっと高坂君には好きな人はできないんだろうって決めつけていた。
でも、違うんだ。
私のこと助けてくれたり、一緒にお祭りに行ってくれたり。
それは、彼が優しいから。
私に、合わせてくれたんだ。
そうだよ…。
「…遠野ちゃん。ちょっといい?」
振り向いた先には、咲本君がいた。
「…昨日、途中で帰ったって聞いたんだけど…何かあった?」
一応聞いておかなきゃな。もしかしたら何かあったのかもしれないし。途中で体調が悪くなったかもしれないけど…。どっちにしろ心配だ!
「あ…の。こ、高坂君…に」
高坂…に?