第17章 彼氏と彼女
でも、
俺も全然遠野さんのこと…知らないな。
誕生日も血液型も好きなこととか
つーか中学校すらどこか知らないな…。
人見知りってことしか…正直いって知らないかもしれねぇ。
…俺、遠野さんと付き合っちゃっていいのか?
「…あ」
急に何かを思い出したように咲本が言った。
「悪い。忘れてた。前祭りんとき遠野ちゃんが高坂のこと知りたいっていったから、お前のプロフィール…誕生日とかそこらへん。言っちゃったわ。だからあっちはお前のこと少しは分かってるぜ」
「お前裏で何やってんだ」
「だって…あのときは本人に急に誕生日とか聞いて嫌な顔されるのはって言われたから教えたんだよ…。で、遠野ちゃんのことも聞いたから言おうとしたんだけど…なんかばたばたしてたじゃん?すっかり忘れてたわ。あはは~」
「あはは~じゃねーっつの」
「わりーって!…でも、今ので分かっただろ…。てかあんなにみんなの前で言っちゃったら誕生日大変になるんじゃね?」
…でも、遠野さんだって友達ほしいんだよな。きっと。
「変わろうって思ってるんだよな…きっと」
「?そーなのか?」
「俺も、変わんねーと」
「…は?」
…え?何その「は?」って。