第2章 抱けない理由
「出ましたよ翔さん」
「に、ニノ?」
「はいちゅーもく!翔さんがにやけてます‼︎」
本人はただのドS心で言ってるんだろうから…まぁ、悪気は無いんだろう。
「ニノ黙ろうか」
ちょうど相葉くんが持っていたペットボトルを頭に投げつける。
「ひどい!ひどいよ翔さん!」
「黙ろうねニノ」
でも実際、表情に出てしまっていただろうか。
七海とやり取りしていると、気持ちが落ち着く。
だけど、会いたくなってしまう。
そんな葛藤から表情が緩んでしまうのか。
愛おしい七海。
今日こそは…繋がれたらいいな…なんて、
俺はどうしようもない気持ちを抱えたまま収録に臨んだ。