第5章 縮まる距離
「じゃあ移動してね~」
先生の声でみんなが移動を始める。
わたしも移動した。
隣、誰かな?
見てみると…
飯田君!?
体中が熱くなった。
飯田君のいる左側に熱が集中した。
「授業始めまーす。
教科書の18ページを開けてください。
愛梨さんは隣の人から見せてもらってください。」
「は、はい。
飯田君、見せて?」
「いいよ。」
飯田君は教科書を私の方に寄せてくれた。
心臓の音がバクバクしてうるさい。
聞こえてないかなって思うくらい。
「ノートまとめまーす。ノートも18ページね。」
そのページにはイラストが描かれていた。
私はそのイラストに少し鉛筆で塗った。
そして無意識のうちに
「飯田君、このイラストの中に少し鉛筆で塗ったんだけど
どこかわかる?」
って話しかけてノートを渡していたんだ。