第1章 FORM
俺の部屋に来てた彼女とそろそろ寝ようとしていた時だった
「ん?どした?」
ソファーの下で体育座りして淋しそうな顔をして黙っていた
「え?」
言葉にハッとしてこちらに顔を向けた
俺は彼女の頭をぽんぽんと撫でてもう一度聞いた
「どうした?」
「ううん、なんでもないよ?寝よっか?」
微笑み返してきた
わかってるんだ
不安な気持ちが溢れ出てることを
旅行も
デートも
外では二人きりで食事すらろくに出来ない
休みだって二日前にならないとわからないような俺だから
約束だって出来ない
でもね?
きみと付き合ってからずっとめくり続けてる部屋のカレンダーは
二人で過ごしてきた時間を証明してんだよ?
そんな強がって笑ったりしないでいいよ
二人でいる時は気を張ったりしないで、ソファーでそのまま寝ちゃってもいいんだよ?
俺が守ってやるから
きみの偽りの笑顔も
油断しきった寝顔も
二人の関係全てを