第4章 幼馴染み
菅原side
3日前の夕方の4時過ぎ、ちょうど上の子の千代(ちよ)を、保育園にそろそろ迎えに行こうと、勤務先である整骨院の隣にある我が家へ帰宅した直後のことだ。
山口が息を切らせながら、我が家へとやってきた。
「…ど、どうしたんだよ?山口…」
「孝支さん…?あれま、お客さんかい??わたしがちよのお迎えに行こうかね??」
「でも……」
俺のカミさんは、小学生の頃両親を交通事故で亡くし、それ以来、整骨院を営んでいる母方の祖父母のもとで育ち、現在整体師として、隣に勤務している。
俺はというと、大学卒業と同時に、ともに卒業したカミさんと結婚し、隣の整骨院で事務を行いながら、その後生まれたかわいい俺のお姫様たちのお世話をして幸せに過ごしている。
長女のちよの迎えを名乗り出てくれたお婆ちゃんは、右脚が悪い。だから、平坦な道とはいえそれなりに距離のある保育園へと迎えを頼むのは、正直気が引けた。
山口とお婆ちゃんの双方に事情を話し、
山口には俺が帰って来るまで、リビングで待っていてくれるように、
お婆ちゃんには、次女の小春(こはる)のミルクを頼んで、家を出た。