第10章 罪滅ぼし
あの日健人に電話して、泣いて一方的に切ってしまった。
なにも伝えられないまま数週間が過ぎた。
大学の玄関で靴を履き替えようとロッカーを開けると一枚の封筒
「なんだろこれ。」
封筒を手に持ってみつめる
「せな!おはよ」
大学の友達の瑞希声を掛けられた
「おはよ。」
「なにそれ?ラブレター?」
なんて言われて
「わかんない」
と返すと
「開けてみたら?」
「うん。」
封筒を開けると
SexyZone のコンサートのチケット。
もうひとつ小さなメモ
《がんばれよ》と一言
誰からさ
そんなのは考えなくてもわかる。
だってこれは………
風磨がいつもあたしに言ってくれるひとことだから。
ごめんなさい風磨。
風磨はいつでもあたしを助けてくれるね。
あたしにコンサートに来いよってことでしょ?
それならこれがあたしの罪滅ぼし
風磨を傷つけた、健人と風磨を引き裂いた最低なあたし
ありがとう風磨。
こんなことで許されるわけじゃないけど頑張るよ。