第6章 初出勤
…キーンコーン カーンコーン…
…チャイムが鳴る…
…始業のチャイムではない。
終業のチャイムだ。
めまぐるしく一日が流れ、あっという間に下校の時間になっていた。
正直なめていた。
学校の先生がこんなに大変だとは思わなかった。
始業のあと自己紹介するまでは想像通りだったが、授業の予習に授業、終わってからは復習と次の授業の準備をし、さらに生徒達の課題に全て目を通す。
「先生ってこんなに大変だったんだぁー;
てっきり授業をするだけだと思ってた。」
休み時間や昼休みには生徒と一緒にキャッキャと話をする夢があったのに今日は時間に追われすぎてそんな事は出来なかった。
「終わったぁぁあ;;」
先生方の言うにはこうやって大変なのは最初だけで慣れて効率よく出来るようになると時間に追われる事なく自分の時間も取れるらしい。
「ほんとかなぁー;;
いつの話になるのやら;;」
そう言って今日の仕事を終えた武田は自分の机に突っ伏した。
「疲れた…。ちょっと休憩してから帰ろ…。」