第24章 喪失 3
その言葉に村上は考え込むように
村上「出番か・・・・」
そう言うと両手を強く握り絞めた
渋谷「お前の気持ちはわかんで・・・」
渋谷はゆっくりと言った
渋谷「自分がおって
雪が敵に捕まった責任を感じてるやろ?」
村上「・・・・すばる」
村上は辛そうに名前を呼んだ
渋谷「やったら、相手に借りを返さんとな
お前の手で、きっちりとな」
渋谷の言葉と同時に目が怪しく赤く光る
それに答えるように村上の瞳も赤く光った
村上は決意したように前を強く見つめ
村上「おん、絶対にな・・・」
その言葉を渋谷は聞くと嬉しそうに微笑み
また目を閉じて静かになった
しばらくすると
渋谷の口から小さな音が聞こえてきた
寝息だった
村上は子供のように安心して
寝息をたてている渋谷を見て微笑んだ
ゆっくりと立ちあがり
自分の上着を脱ぐと渋谷にかけ
感謝するように言葉をだした
村上「・・・・すばる、ありがとうな」
そう寝ている渋谷に告げると
部屋をそっと出て行った
今の自分が出来る事を探す為に歩き出したのだった