第20章 残された者
普段の村上では考えられないように
声を荒げたのだった
村上「いつものお前やったら
ちゃうやろが?」
そう言うと村上は横山に詰め寄った
村上にしたら目の前の横山に
違和感を感じていたのだ
こんな引いて考える奴でなかったと
目の前に来た村上に
横山は冷たい目線を送ると静かに言った
横山「熱くなると何も見えんくなるで・・・」
その言葉に村上は横山を睨む
村上「ここまでされているのに
熱くならん方がおかしくないか?」
その時だった丸山が二人の間に立ちふさがった
丸山「今は言い争っても何にもならないから
落ちつこうよ・・・」
丸山の言葉を聞いて村上は怒ったように
傍のソファーに腰をかけた
丸山はその姿を見て小さくだが
ため息をついた
全てを知っている自分には
どうするのが正しいのか
分からなかったのだ
横山に力が戻ったら
直ぐに解決しそうな問題なのに
それが出来ないイライラが
充満していたのだ
丸山「・・・とにかく出来る
作戦を立てようよ
もう敵に好き勝手されないようにさ」
初めて丸山から皆に提案してみた
それが丸山にとって出来る
最大限の事だったからだ
その様子に皆が冷たい目線を送る
渋谷「・・・・作戦ね」
そう言って渋谷は考えんだ
大倉「今は時を
待つしかないのかな・・・」
大倉は寂しそうに言った
その言葉に反応するように
皆が静かになってしまったのだった