第53章 作戦
三人は重い空気の中で考え込んでいると
突然に扉が開き横山が入って来たのだ
横山は中にいる者を見ると
不敵に笑ったのだ
丸山の方は横山を見た瞬間に
嬉しさが込み上げたのだ
扉を開けた横山の瞳が
吸血鬼の証の深紅になっていたのだ
横山の血が吸血鬼に戻っていたのだ
座っている仲間を見て
横山は冷たく言った
横山「男三人頭を揃えてどなんしたんや?」
その言葉を聞いた錦戸が嬉しそうに言う
錦戸「俺らだってさぁ
色々と考えとるんやで?」
その言葉を聞きながら
部屋にゆっくりと足を進め
丸山の横に座ると
横山の後から大倉が入って来き
頭を下げながら横山の後ろに
静かに立ったのだ
安田は横山の顔を見ると
自分の思っている事を聞いてみた
安田「なぁ、あのゲストが来てから
変な事ばかりやんな?」
安田はわざと曖昧に聞いてみたのだ
自分たちが考えていた事を
まだ横山に悟られたくなかったから
安田は自分が思っている答えを
信じたくなかったからだ
その曖昧な言葉ですら
横山は安田の言った事を察するように
横山「全て1つのために
ねじ曲がったから変に思えるだけや」
横山のその答えに丸山が反応した
丸山「ねじ曲がったって?」
その言葉の意味は誰も理解できなかった
横山「おん
間違えた同情と正義の為にな・・・」
横山は仲間の前で
颯爽と足を組みながら言った
その言葉を聞いた仲間は
各々が持っている答えに
それが該当していた為に
誰もが黙ってしまったのだ
すると大倉が小さい声で
大倉「雪がまた姿を消したんだ・・・・」
寂しそうな言葉に
横山以外が驚いて動揺した
錦戸「それって、どういう事や?」
大倉は静かに首を振って答えた
安田「なんでなん?」
大倉は首を振り続けた
丸山「ねぇ、探さなくていいの?」
丸山は横山を見て言うと
横山は冷たい目つきで告げた
横山「雪を探すんは後ででええ
先ずは子供やからや」
その言葉を聞くと
大倉は寂しそう瞳を潤ませて俯いた