第49章 喪失【目的】
それを見た村上も一緒に笑いながら
渋谷に抱きついた
仲間に抱きつかれ
恥ずかしくなった渋谷は
渋谷「おい、俺は寂しくないぞ!
勝手に決めんなや!」
そう言って笑いながら叫んだのだった
すると一人
静観していた錦戸までもが
錦戸「なんやねん、みんなでさぁ・・・」
そう言いながら
自分も渋谷に抱きついたのだ
錦戸にまで抱きつかれて
渋谷は身動きが取れなくなり
叫んだのだ
渋谷「やから、俺は寂しくないんやて!」
そう言いながら仲間に囲まれて
渋谷は笑っていた
仲間とじゃれ合いながら
誰もが笑っていたのだ
その団らんの中に冷たい声が
皆の中に入ってきた
横山「お前ら・・・・
男どもで何をしとるんや?」
横山はじゃれあっている
仲間に呆れるように見つめながら
近寄って来たのだ
安田はそんな横山に胸を張って言ったのだ
安田「辛いときは支え合いや!」
安田のドヤ顔に
横山は少しだけ笑ってしまった
横山「支え合うんはええけど
気持ち悪い事をしてる前に
赤ん坊を探すで・・・」
そう言うと
仲間に冷たい目線を送り
ロビー奥の部屋に
足を進めて行ったのだ
横山の言葉を聞いて
誰もが追いかけるように
急いで足を進め
奥の部屋に入って行ったのだった
部屋に入ると
横山は無言でソファーに座った
その横山を囲むように
各々の仲間が自分の場所に立って
横山の話を聞こうとした