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Dye D? 3

第48章 喪失  12【失望】






 横山は自分の部屋で

ベッドに横になりながら

一人で考えていた




敵の狙いと

赤ん坊の行方を・・・・



なぜ、敵は赤ん坊を連れ去ったのか

やはり赤ん坊の命で

自分の命を永らえるためにか・・・



その時だった

部屋にノックの音が響いた




横山「・・・はい?」





横山の返事を聞いて

扉がゆっくりと開き

渋谷が顔を出したのだ




渋谷「ちょっと、ええか?」




渋谷の言葉に

ベッドから少し顔を上げて

横山は見ていた



渋谷はその顔を見ると

床に散らばっている本を踏まないように

上手に歩き横になっている

ベッドまでやって来た



自分の側に来た渋谷を横になったまま

黙って横山は見つめた




渋谷「俺の臭い通りになったな・・・」



そう言って渋谷は苦笑いした

それを聞いた横山は



横山「昔からのお前の勘も臭いでか?」



渋谷は笑顔で返事をする




横山「さよか・・・

凄い力やな」



横山の言葉に渋谷は小さく笑ったのだ





渋谷「いらんで・・・

先の事が分かるなんてな」




そう言うと

横山のベッドの隙間に腰を下ろしたのだ




横山は何も言わずに

天井を見ながらまた考えていた



そんな横山を横目で見ながら

渋谷は聞いてみた




渋谷「敵の狙いはさぁ

なんやと思てるんや?」




渋谷は横山の考えを聞きたかったのだ

彼は今、何を思っているかを





すると横山は静かに口を開いた




横山「赤ん坊の力で

命を永らえようぐらいしか

思いつかんけどな・・・」



そうハッキリと告げたのだ





渋谷は自分の考えと同じだった事を

少し悲しく思っていた




渋谷「そっか・・・」




二人は何も話さなくなった


すると間が持たないのか

寂しそうな瞳で

横山の部屋を見回していたのだ




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